初期虫歯が自然に治る?歯の再石灰化とは?
投稿日:2023年1月6日
カテゴリ:スタッフブログ
初期虫歯が自然に治る?歯の再石灰化について
虫歯は細菌の感染によって発症します。口腔内に存在する虫歯菌が糖分を餌にして酸を出し、歯を少しずつ溶かしていくことが虫歯のはじまりです。さらに虫歯が進行して歯の神経にまで感染が拡がると、炎症が起こるためズキズキと激しい痛みを感じるようになります。
虫歯で歯を失わないためには、いかに虫歯を進行・悪化させないかが鍵となります。そのため、従来の虫歯治療では、虫歯になった部分をできるだけ早めに削り取って修復するという方法が主流でした。
しかし近年では、状態にもよりますが初期虫歯(軽度の虫歯)であれば、歯の修復機能である再石灰化による自然治癒を期待し、すぐに虫歯を削らずに経過を見るというケースも増えています。
今回のブログでは、初期虫歯の自然治癒が期待できる歯の再石灰化についてお話したいと思います。
虫歯の進行と再石灰化の仕組みとは?
食事などで糖分を摂取すると、お口の中に存在する虫歯菌が糖分を餌にして酸を出します。この酸によってお口の中が酸性に傾くため、歯のミネラルが溶け出す「脱灰(だっかい)」が起こります。
その一方でお口の中では、唾液に含まれるミネラルが歯の表面に戻る「再石灰化」という修復機能が働きます。お口の中ではこの「脱灰(破壊)」と「再石灰化(修復)」が繰り返し行われており、双方のバランスが拮抗している間は虫歯になることはありません。
しかし、だらだらと食事して酸性に傾いている時間が長くなったり、糖分の多い食事を頻繁にすると、脱灰と再石灰化のバランスが崩れてしまい、虫歯が進行して歯に穴があいてしまいます。歯の表面が溶け出したとしても、歯に穴があいていない状態(初期虫歯)であれば、歯を削らずに再石灰化による自然治癒が期待できます。
歯の再石灰化を促進させるための対策
初期虫歯を再石灰化によって自然に治癒するためには、下記のことを意識し、再石灰化を促進させることが重要です。
糖分の摂取量を抑える・だらだら食事しない
糖分を大量に摂取したり、ダラダラと時間をかけて食事をすると、虫歯菌の活動が活発になるため、歯が溶けやすくなります。再石灰化を促進するためには糖分の摂取量を抑え、だらだらと食事をしないように心がけましょう。
口腔内を清潔に保つ
お口の中が不衛生な状態になると、虫歯菌をはじめとした多くの細菌が繁殖し、口腔内環境が悪化します。口腔内に食べかすなどを蓄積させないため、食後や就寝前はきちんと歯磨きを行い、口腔内を清潔に保ちましょう。
唾液の分泌を増やす
再石灰化を促すためには、唾液の分泌量を増やすことが大切です。しっかり噛んで食べる、会話をする、ガムを噛むなどして唾液の分泌を促しましょう。
フッ素を活用する
フッ素には虫歯菌の活動を抑制したり、歯の再石灰化を助けたりする効果があります。歯科医院でフッ素塗布を行ったり、フッ素入りの歯磨きをうまく活用しましょう。
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